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WORKS

ROOF HOUSE

設計・監理:玉田脇本建築設計事務所/玉田誠、脇本夏子

構造:伊藤潤一郎

植栽:studio the SUN/井辺陽子、山口健太

施工:岡村建業/古川和弘、小泉昭人

所在地:栃木県

竣工:2023.12

用途:住宅

構造種別:RC造+木造+S造

写真:Kenta Hasegawa

受賞

SDレビュー2021 鹿島賞

​日本空間デザイン賞2024 銀賞

​グッドデザイン賞

​メディア

architecturephoto(WEB)

SD2021(書籍)

​新建築住宅特集2024年2月号

GA HOUSES 195

日経アーキテクチュア2024年7月25日号

ENGINE2024年9・10月合併号

ファインスチール2024夏

現場レポート

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住まいを広げていく

敷地は関東平野の北端の町工場やのどかな田畑の風景が混在する地域で、古くから大きな農家が建っていた土地とその裏の広葉樹の雑木林の合わせて、2000㎡ほどあった。都市部から移住した若い建主からは、緑豊かな敷地全体を使って暮らすこと、地域から人を呼び込む小さな商いや発信をする場所があること、将来転勤した場合にも住まいがうまく使えることが望まれた。そこで我々は敷地の豊かな自然に加えて、周辺環境や地域の活動も取り込めるような半屋外のニワと一体となった住まいを考えた。

建物をいくつかのボリュームに分け、その間に小さなニワができるように配置し、全体に一枚の薄い屋根を架けた。屋根の下は路地のような隙間、小屋裏のような屋上、大きなトップライトを持つ入れ子状の室内など、半屋内とも半屋外ともいえるような空間となることを目指した。

半屋外のニワは、室内と周辺の状況に応じて様々な性格をもつ場所となる。雑木林を向いた中央のニワには屋外キッチンがあり、人を招いて桜を眺めながら食事をしたり、子どもが駆け回る場所となる。敷地入口に面した南側のニワは、来訪者を迎え入れる軒先の玄関のような場所である。テーブルや椅子を並べて会話やお茶を楽しめるし、雨の日も濡れずに滞在できる。北側の壁に囲まれたニワは、日曜大工や車いじりなど、ここで暮らすためのさまざまな作業を行う場所である。

また、分棟形式とすることで、建主が転勤した場合にも寝室と風呂のある棟は別荘として残し、その他の部分を店舗やギャラリーとして他者が使うことを想定している。ニワを介してお互いがゆるやかに関わり合うことで、住宅を超えて新たな創造が生まれる場所になれば良いと考えた。

大屋根によってできた半屋外のニワが敷地内外の状況によってそれぞれ特徴的な場所となり、生活が室内で完結することなくニワへ、その外側へと広がり、この場所の自然や風土の中で日々の暮らしが営まれ、地域の住民や文化との豊かな関わりが生まれる住まいとなることを期待している。

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